夜中の西友でのこと

駅前のいつも行く西友に素晴らしい新人が入った。
西村さんという20代後半くらいの男の人で、今までの西友にはいなかった、プラスアルファの接客をしてくれるレジ担当。
レジに商品を通す速度が誰より速く、また、動きに無駄がない。
そして、少し余裕があると袋詰めまでしてくれる。
他の店員さんが悪いというわけではないけど、西村さんからはよりよい接客をしようという心意気が感じられて感謝の気持ちが湧く。
でも西村さんは実はレジ業務以外においては最低な人間で、レジ業務は仕事だから頑張ってるだけかもしれない。
仕事だからレジ業務だけは頑張ろうと思って、プライベートでは女を泣かせたりするようなことをしてたらメリハリがあっていいことだけど。
わたしは西村さんのことを知らなすぎる。
夜の西友は楽しい。
深夜の24時頃にかごに手巻き寿司セットと酢とのりを入れて前向きな顔でレジに並ぶサラリーマンを見た時は、これから一から手巻き寿司する気か…と思ってなごんだ。
かっこいいおしゃれなサラリーマンが信玄餅の箱アイスだけを手に持ってレジに並んでいるのを見ると、勝手にアイスへのひたむきな欲求を感じてかわいいなと思うし、日焼けした若い男の人がたんぱく質の多い食品ばかりかごに入れているのを見ると(チャラそうだけど筋トレ頑張ってるのかな)と思ったりする。
レジに並んでいたら、後ろにイケてるティーンエイジャーみたいな、ちょっと派手目で、容姿端麗で華やかでかなり若いカップルが並んだ。
その列のレジは40歳過ぎくらいの女の人が担当していて、それを見た女の子が「混んでるとイライラするけど、自分のお母さんくらいの人が夜中に働いてるって思うと待ってようって気になる」と言っていて、いい子だなぁと思った。
それに対し、美しい彼氏は「夜でも西友は混んでるんだね」みたいなトンチンカンなことを返している。
バカだなぁと思ってそれはそれで面白かったけど、かわいくて優しい女の子は、いつか話がわかる人とつきあって、自分が思って口に出したちょっとしたことがちゃんと響いて幸せだなと思う瞬間があったりしたらいいのになと思う(あわよくばわたしにも)。
というようなことを考える。