ヴィジュアル系
LUNA SEAに心酔していた中学生の頃、LUNA SEAにかまけて勉強に身が入らないわたしを見かねた母親に「LUNA SEAがあんたに何してくれるの！」と怒られたことがある。
反抗期で口答えばかりしていた頃だったけど、こう言われて何を言い返せばいいのかわからなかった。
母親はLUNA SEA以外のヴィジュアル系にもハマっていったわたしに「嵐のファンになって欲しい」と言ってきたけど、思春期の娘がリビングでおどろおどろしいPVを見ていたら嫌だったろうなと今ではわかる。
ヴィジュアル系と言えば黒い服！みたいな時代だったと思うので（血のりのついたTシャツとか）、近所に見せたくないような服装になっていく娘を嘆き、ヴィジュアル系を忌み嫌っているのに何故か仇であるDir en greyのメンバーの名前が言えてしまうという親もたくさんいただろうと思う（理解がある親もいたと思うけど）。
でもそれから16年経ち、31歳になったわたしに「このあいだSUGIZO（LUNA SEAのギター）がラジオに出てたよ」等、報告してくれるようになった。
LUNA SEAが原因で一家離散しなくて、こういう今を迎えられてよかった。
中学生の頃は、家族旅行の時にサービスエリアに降りるたびに（ここにツアー中のLUNA SEAがいたらどうしよう…）と想像して胸を踊らせていたけど、大人になって東京で働くようになり、働いていた本屋に大好きだったINORANが来て接客をするという機会もあった。
このあいだも、電車で「真矢に見えるけど、これが生で見る今の真矢ではないことを祈るしかない」という男を見た。
住んでいる沿線には売れないヴィジュアル系みたいな人が山ほど住んでいる。
高校生の頃はバンギャの友達が一人しかいなかったけど、大学生になってできた面白い友達がバンギャだったということが頻発したのでヴィジュアル系が好きでよかった。
ずっと「老人ホームで『残－ZAN－（Dir en grey）』歌おうね」と話しているけど本当にそうしたい。
アニオタ老人ホーム、ヴィジュアル系老人ホーム、ドルオタ老人ホーム、ジャニオタ老人ホームとかがあったら楽しい。
そこでオタク同士の解釈違いとか推し方の違いでもめて刺し違えて死んだらスムーズに成仏できる気がする。
